骨を瞑想の道具として使う


解剖学と聞くと難しい感じがして専門家が学ぶものだと思われがちですが、ヨガの実践者であれば勉強して損はない学問です。

僕は自分の養成講座で解剖学とは身体を表現する共通言語であるとお伝えしています。

というのも解剖学が表す単語は絶対的に一つの動作や、特定の筋肉のことしか表現しないからです。

例えば肩甲骨を下げる動作一つとっても多くの表現があります

「肩を下げる」

「肩甲骨を骨盤に向かって下す」

「肩甲骨をお尻のポッケに滑り下ろす」

など、たくさんの表現の仕方がありますが、これらの言葉の意図には肩を下制(肩甲骨を下げる)して欲しいという意図があります。すべて同じ意図ですが人によってその意図を感じやすい言葉は違いますし、もしかしたら全く違う動作をしてしまう可能性すらあります。

しかし、もし話し手と聞き手が肩甲骨の下制という共通言語を知っていたとすると、

「肩甲骨を下制してください」という言葉は間違いなく受け入れられ、実行されます。

また、その概念さえあれば話し手が下制という言葉を使わずに表現したとしても、

聞き手は「あ、これは肩甲骨を下制して欲しんだな」と意図を汲み取ることもできます。

日本語だと肩甲骨の下制一つとってもたくさんの表現があります。

ですから自分が混乱せずに練習するためにも解剖学を学ぶことは重要と言えます。学ぶといっても分厚い解剖学の専門書を暗記し人体すべての204個の骨と600個の筋肉を把握する必要はありません。身体に集中しやすくする目的を達成する為なら、基礎的な骨の動きを覚えてしまえば問題なく自己実践を行えるはずです。

では実際に肩甲骨の動きを学んでみましょう。

肩甲骨の動きで覚える動きはたった6個のみです。(下はSMMで使用するテキストの一部です)

これらの肩甲骨の動きを覚えてしまえば自己実践は非常にシンプルになります。

今、自分の肩甲骨がどの位置にあるのかを把握すれば良いのです。SMMのテキストではそれぞれのヨガのポーズの際、骨をどの位置に配置すればよいのか書いてある為テキストで記載された位置に骨を配列しているか探ることで自己実践が可能になっていきます。

では実際に肩甲骨の動きに集中してみましょう。

まずは、動きを覚えていきます。

① スタートポジションは腕を体側にそえた状態から初めます。

② 腕を横から通して天井方向に持ち上げてバンザイの姿勢を作ってみます。

(図では合掌をしていますが最初は肩幅バンザイの状態で構いません)

③ 来た道を通り腕を体側まで下げてスタートポジジョンに戻ります。

①~③を繰り返す。

動作を覚える事が出来たら、次は自分の肩甲骨がどのように動いているのか観察しながら行います。

正解を言うと

1枚目のテキストに書いてあるように、腕を上げていく時には肩甲骨の上方回旋が起こります。腕を下げていく時には肩甲骨の下方回旋が起こります。

それでは何度か腕の上げ下げを繰り返し、肩甲骨に意識を向けながら続けてみてください。

何度か実践したら続きを読んでいきます。

では実践した方に質問です。

肩甲骨に意識をむけている間、深く身体に集中しませんでしたか?

脳は一つのことに対して真剣に集中すると他のことを考えることが出来ないようになっている為、今肩甲骨に集中出来ていた方はそれ以外のことはほぼ頭から抜けていたはずです。

これが、今ここに集中する為の技法のひとつであり、忙しいマルチタスクな現代人に必要な時間なのです。大きな動きや負荷はそれほど重要ではありません。このような簡単な動きでもこの技法は有効に働きます。

脳疲労回復ヨガではこの集中力が切れないようにポーズやエクササイズを連続して行っていきます。さらに集中するポイントは、全身の骨や筋肉だけではなく同時に呼吸法にも向ける為さらに集中力が高まります。そして全身の骨や筋肉自体が集中するための道具となるので、今後道具がなくなることも足りなくなることもありません。自分の身一つで何時でもどこでも実行できる技法です。

ぜひ日常生活に取り入れて便利な道具として使い倒してみてください。


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