腹筋の層を使い分ける
ヨガのバックベンド(身体を反る動き)で腹圧を高めて腰を守りながら行う。というインストラクションを聞いたことはないでしょうか?
確かに腹圧を高めることは大切なのですがバキバキのシックスパック(腹直筋)を起動させたいのではありません。
実はお腹の筋肉は何層にもなっていて各層によって働きが違うのです。腰を守るために腹圧を高めた結果、逆に腰を痛める原因になってしまうこともあります。
上の図を見てください。
腹筋が何層にもなっていることが確認できると思います。
一番深層に腹横筋。そして深層から順に内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋となっています。
ヨガでは今まで無意識に使っていた筋肉を意図して使えるようになることでポーズを上達させていきますので、この層の使い分けを知っていると安全にポーズを深めることができます。
さてバックベンドでは主にどの筋肉を使うのでしょうか・・・。答えは腹横筋です。
腹横筋の働きはエロンゲーション。背骨を引き延ばしてくれる働きがあります。
以前に他の記事で書きましたがフォワードベンドやバックベンドは腰椎と腰椎の距離を離して行わないと腰を痛める可能性があります。
ですのでヨガのバックベンド時に腹圧を高めるというのは、腹横筋を作動させるという意味なのです。
今度は腹直筋の働きを見てみましょう。腹直筋の働きは腰椎の屈曲。身体を折り曲げていく働きです・・・。ん?同じ腹筋なのに働きがまるで違う笑!!
バックベンドは体を反らせていく動きです。ここで腹直筋を作動させてしまうと反る動きとは最高に相性が悪いことが分かると思います。
まとめるとバックベンドでは腹直筋を極力作動させずに腹横筋で腹圧を高め反ることで腰を守りながらポーズを深めることができます。
腹直筋を作動させれば自分で負荷を高めているようなものなので腰が痛くなるのも無理はないですよね・・・。
ちなみにヒクソン・グレイシーや鶴太郎さんがやっているナウリ(お腹をぐりぐり動かす動作)も腹筋な層を使い分けることで行うことができます。ときどき神秘的なことを行っているように説明する人がいますが結局は筋肉の働きで行うことができるのです。
バックベンドで腰を痛めやすい人は層の使い分けを意識してみてください!!